大腸カメラとは
日本では大腸がんの患者数が男女ともに増え続けていて、がんによる死亡原因でも大腸がんは上位を占めています。大腸がんのほとんどは大腸ポリープから生じていて進行が比較的ゆっくりのため、早期発見できれば日帰り手術による根治が可能です。前がん病変の大腸ポリープや早期の大腸がんの発見が可能なのは大腸カメラ検査だけなので、定期的に大腸カメラ検査を受けることが重要です。
大腸カメラ検査は、事前に下剤を服用して腸をきれいにする必要があり、医師のスキルや検査機器のレベルによっては苦しい検査になることから、苦手意識や不安を持っている方も少なくありません。当院では、大学病院や基幹病院で数多くの内視鏡検査と手術を行ってきた内視鏡専門医が、最新の高機能内視鏡システムを使ってきめ細かく配慮しながら検査を行っています。また、鎮静剤を使用して眠った状態で検査を受けることも可能です。
富士フイルム社製の最新内視鏡システム導入
画像と医療の両分野で富士フイルム社が長く蓄積してきた画像処理技術と光源制御技術などを生かした最新の内視鏡システム『LASEREO(レザリオ)6000システム』を導入しています。明るいLED光源の発光強度比を制御して目的に応じた観察画像を得られる「Multi-Light Technology(マルチライトテクノロジー)」によって、微小な病変の発見を強力にサポートします。
画像の強調観察が可能なBLI/LCI機能搭載
高出力LEDの発光強度比制御によって白色光と短波長狭帯域光を生成して得た情報に画像処理を加え、観察に適した画像を作り上げる「Multi-Light Technology」を搭載しています。粘膜表層の微細血管や構造を強調表示できる「BLI」、赤色領域のわずかな色の違いを強調して炎症の診断をサポートする「LCI」という観察モードは、検査中の簡単な切り替えが可能です。目的に合わせた画像を確認することで微小な病変の正確な観察が可能になり、早期がん発見に大きく役立ちます。
LCI
BLI
当院の特徴
特徴1 鎮静剤でウトウトしたリラックス状態で検査を受けられます
苦手意識や不安がある方がストレスなく大腸カメラ検査を受けられるよう、当院では鎮静剤を使ってウトウトした状態で検査を受けていただけるようにしています。意識と体が深くリラックスした状態になって検査自体もスムーズに進むため、時間も短縮されます。初めて検査を受けられる方もぜひお任せください。なお、検査で鎮静剤を用いた場合には、当日の車・バイク・自転車などの運転はできませんのでご注意ください。
特徴2 無送気軸保持短縮法でお体への負担を減らしています
大腸は曲がりくねっていて、その状態は患者様ごとに大きく異なり、また癒着があることも珍しくありません。内視鏡スコープ挿入の際に腸が圧迫されると苦痛を生じるため、当院では大腸の状態に関わらず大腸を圧迫しない挿入法である無送気軸保持短縮法を用いています。高度な技術ですが、当院では大学病院や基幹病院で数多くの検査と手術を行ってきた内視鏡専門医が丁寧に行っていますので、ご安心ください。
特徴3 発見した大腸ポリープは検査中に切除可能です
大腸がんのほとんどは、放置された大腸ポリープから発生しています。当院では大腸カメラ検査中に発見した大腸ポリープをその場で内視鏡によって切除して、将来の大腸がん予防につなげています。検査中に切除するため入院の必要なく、その日のうちにご自宅にお帰りいただけます。検査と別日に切除のためのスケジュールを作る必要がなく、事前の食事制限なども1度ですみます。 なお、当院の大腸カメラ検査では、発見したポリープを特殊光や拡大などで観察してその形状や色調、サイズ、微細構造などを詳細に調べ、切除の必要性を判断しています。
特徴4 炭酸ガスで検査中の圧迫感や検査後の膨満感を解消しています
大腸は曲がりくねっているため多くのシワやヒダがあります。そうした部分も見逃さずに観察するため、大腸カメラ検査では大腸を気体で膨らませています。当院では吸収が速くて安全性の高い炭酸ガスを送気することで、検査後のつらいお腹の張りを残しにくくしています。
特徴5 院内で下剤服用することも可能です
腸をきれいにするため、検査前には下剤の服用が必要です。基本的には大腸カメラ検査前の下剤服用はご自宅で行っていただいていますが、下剤服用や、その後にご来院いただくための移動が不安という方は少なくありません。当院では、ご希望があれば早めにご来院いただいて院内で下剤を服用していただくことも可能です。遠慮なくスタッフにお尋ねください。
特徴6 ストレッチャーで寝たままリカバリールームへ移動
検査はストレッチャーに横になっていただいて行っています。鎮静剤を用いた検査の場合、検査終了後はストレッチャーに横になったままリカバリールームにお運びしています。無理に起き上がって移動する必要がありませんので、楽な姿勢のままゆっくりお休みいただけます。
特徴7 同日に胃カメラと大腸カメラの両検査を受けられます
当院では、胃カメラ検査と大腸カメラ検査の同日検査が可能です。両検査が1日ですむため、事前の食事制限なども1回ですみます。スケジュールやお体の状態によっては同日検査ができない場合もありますので、まずはご相談ください。
特徴8 土日の胃カメラ・大腸カメラ検査が可能です
土曜日や日曜日にも胃カメラ・大腸カメラ検査を行っています。もちろん両検査を1日で行うことも可能です。平日はなかなかスケジュールが作れないお忙しい方は、楽に治せる早期発見が特に重要です。お気軽にいらしてください。
大腸カメラ検査の流れ
Step 1前日
21時までに夕食をすませます。軽めの食事か、検査食を夕食として食べていただき、それ以降は検査終了まで絶食です。水分補給は、水か薄いお茶など透明で糖分が含まれていないもので行ってください。 就寝前に錠剤の下剤を服用します。なお、糖尿病薬や抗血栓薬など休薬する必要がある場合もあるため、普段、お薬を服用されている方は必ず事前診療で医師にご相談ください。
Step 2当日朝
検査6時間前に下剤服用を開始します。大量の水にお渡しした下剤を溶かして、少しずつ服用して大腸をきれいにします。下剤の服用やその後の移動に不安がある場合には、早めにご来院いただいて院内で下剤を服用することも可能です。遠慮なくご相談ください。なお、当日朝は胃腸薬、坐薬、痔の軟膏などは使用しないでください。また、水などによる水分補給は可能ですが、食事は検査終了まで禁止です。
Step 3来院
ご自宅で下剤を服用して腸内をきれいにした場合は、予約時間の30分前にお越しください。問診や確認、検査着への着替え、静脈への鎮静剤投与などの準備を行います。
Step 4検査
ストレッチャーに横になったまま検査室にお運びします。ウトウトしたリラックス状態で検査を行います。大腸ポリープが発見された場合には、その場で切除する日帰り手術が可能です。切除や組織採取の有無などで多少時間は異なりますが、一般的に30分程度で検査が終了します。 検査終了後はストレッチャーに横になったままリカバリールームにお運びしますので、リラックスしてお過ごしください。
検査中の大腸ポリープ切除
検査中に発見された大腸ポリープは、その場で切除する日帰り手術が可能です。ポリープ切除で痛みを感じることはありません。なお、切除したポリープは状態により病理検査を行うことがあります。
Step 5検査
お休みいただいた後に、検査を行った医師が検査画像を用いてわかりやすくご説明します。ポリープ切除を行った場合には、注意点などもお伝えしています。また、採取したポリープや組織の病理検査を行う場合は、結果が約2週間後に出ますので、後日ご来院いただいて結果をご説明いたします。
Step 6ポリープ切除後の注意と制限
当日の夕食は腸に負担をかけないよう、消化のよいものにしてください。飲酒、喫煙は禁止、入浴も控えてください。軽くシャワーを浴びる程度でしたら構いません。また、術後の出血を防ぐために、1週間程度は腹圧がかかる運動や動作を控えます。
検査費用
※下記の表は左右にスクロールできます
1割負担 | 3割負担 | |
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大腸カメラ(観察のみ) | 約2,000円 | 約6,000円 |
大腸カメラ+生検+病理組織検査 | 約3,000~5,000円 | 約9,000~15,000円 |
腸カメラ+ポリープ切除+病理組織検査 | 約7,000-10,000円 | 約20,000~30,000円 |
※組織検査やポリープ切除は、部位の数により費用が変わります。